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英日翻訳者・ライター。行けるとこまで行きます。

ミランダ・ジュライ「最初の悪い男」

読みながら、何度も何度も吹きだして、胸がきーんと寂しくなった、ミランダ・ジュライの初の長編小説。変わり者で想像力豊かな40代女性の主人公シェリルと、私は確かに重なるところがあって、2人の円が重なってる中心の共有部分は「痛さ」「身体と精神のアンバランス」だと思った。ミランダ・ジュライは、マイク・ミルズという素晴らしい映画監督の夫がいて、子どももいて、普通にみれば幸せなアメリカ式核家族を作っているのに、それなのにあんな孤独で素っ頓狂な中年女性の愛おしい物語が作り出せるところがすごいと思う。まぁ、彼女の作品はいつだって変な女の人が主人公なんだけど。映画「the Future ザ・フューチャー」も相当ヘンなヒロインだった。ミランダ・ジュライ本人のとめどない妄想気質をマイク・ミルズは愛していて、優しく包み込んでいるんだろう。面白くてステキな夫婦だな。マイク・ミルズの「20センチュリー・ウーマン」のTシャツ、グレー地にピンクの文字で「20th Century Women」って手書きで書いてあるやつ。迷って買わなかったことを後悔している。

2/3(日)
リサーチ


Kindle読書「最初の悪い男」ミランダ・ジュライ(著)※100%
エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層」鹿島茂(著)※p.52