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英日翻訳者・ライター。行けるとこまで行きます。

映画・ドラマ

「エブエブ」「フェイブルマンズ」

「エブエブ」日を追う毎に自分のなかでいい映画だったという感動がじわじわと高まっている。あんな人生もあったはず、あそこであの選択をしていたら、というオルタナティブリアリティをいくつも体験した後で、それでも今を生きるしかないんだって腹をくくる…

「別れる決心」

タン・ウェイ、憂いがあって魅力的だった。身寄りのない韓国に不法で入った中国移民の女性の生活がどういう感じなのか、私にはちゃんと想像がつかない。移民になるしかないっていう境遇、きつい。幸せになってほしかったな。あんな死に方があるのね。いろい…

「仕掛人 藤枝梅安」

天海祐希がすごくよかったー。美しくて凄みがあって。トヨエツと並んでも引けを取らない華があって。「仕掛人 藤枝梅安」は「イニシェリン島の精霊」の対極のわかりやすさで、そこまで説明しなくても大丈夫だよ?とも思ったけど(特にあのマーベルみのあるフ…

「ユー・ピープル  僕らはこんなに違うけど」

監督ケニヤ・バリスだからと期待していたけど、そんなに面白くなかった。主人公の白人男子と黒人女子のあいだにそもそもケミストリーが全然感じられないから、いろんな壁を乗り越えてでも一緒になりたい感が出なかったんだと思う。ジュリア・ルイス=ドレイ…

「イニシェリン島の精霊」

めちゃくちゃキレイな画で、ぜひこの島に行きたいと思った。もちろん旅行で。やっぱり、どんなに美しい景色でもあんなに閉鎖的なところには住みたくない。同じパブで同じ人と話して一日を終えるなんて生活を何十年も続けてたら、どうにかなっちゃうのもわか…

「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

みんなが言っているように、「その名を暴け」という副題に違和感があったけど、映画はとても見応えあった。ワインスタインの名を暴けってことなのは明白だけど、そして原作の邦訳版にもそう副題がついてるんだけど、話は被害者の女性たちがオンレコで告発す…

「RRR」

話題沸騰の「RRR」をついに鑑賞したよ。気取って斜に構えたりせずに王道、直球でいくところが清々しくてとても良かった。イギリスの植民地支配=悪、の映画をあれだけ堂々とエンタメに仕上げるという気骨が素晴らしいなと思った。アクションもわたしには「ワ…

「コペンハーゲン・カウボーイ」

まだ3話までしか見てないけど、レフンらしいネオンな色使いと構図、今どき珍しいスローな展開と静けさがいい。なんでもセリフで説明されないから、彼女は何が目的なの? 彼とはどういう関係なの? ってすごく想像力が刺激される。 作業ログ:1月12日(木)〜…

「ほの蒼き瞳」

ついにコロナを引き寄せて数日伏せったけれど、なんとか回復した。この年末年始で友だちがバタバタ感染しててびっくり。次の新しい株が出てこなければ、わたしは無敵のままでいられるのかな? 体調が落ち着いてNetflixで「ほの蒼き瞳」を見た。クリスチャン…

「さよなら、私のロンリー」「ホワイト・ノイズ」

正月中にこの2本を見られて満足。 ミランダ・ジュライの「さよなら、私のロンリー」は、詐欺家族という意味では確かに「万引き家族」や「パラサイト」とかぶるんだけど、エヴァン・レイチェル・ウッドとジーナ・ロドリゲスの関係で見ると、ジュライの小説「…

12月に見た映画とドラマ

ちょっと日常のフェーズが変わって、ペースがおぼつかないんだけど、よい方向に向かっていることは間違いないから、このまま迷わず前進する。とりあえず最近みた映画とドラマを記録しておこうかな。 映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」/キャメロン…

「ザ・メニュー」

あの強烈スノッブなレストランはNomaのイメージなのかな。確かにどのメニューよりも、アニャが最後にオーダーしたチーズバーガーがいちばん美味しそうだったよw たぶんシェフもアニャと同じ貧困家庭出身でサービス提供側で自力で生きてきた人間だから、最後…

「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

ライアン・クーグラーはやっぱりアクションじゃなくてドラマの人なんだなと思った。前半のチャドウィックを悼むシーンはグッときたし、ラストでシュリが淡い日差しの中、喪失の哀しみを受け止めて浄化させるシーンは「フルートベール駅で」みたいに美しかっ…

「タイラー・レイク -命の奪還-」

今どきのアクション映画らしくゲームみたいなカメラワークとカット割りだった。「パターソン」のゴルシフテ・ファラハニが出てたんだけど、長谷川潤に激似だねー。来年、続編が配信らしいけど、ジョン・ウィック的なシリーズにするつもりなんだろうか。 11/1…

「シスターズ」

ネトフリの韓国ドラマ「シスターズ」、ようやく12話全部見た。あれは若草物語をベースにしていると聞き、亡くなってしまった妹を入れて4姉妹なのかと思いながら見ていたけれど、最後の方はあの金持ち夫妻の娘を入れて4姉妹という解釈もありだな、なんて感じ…

「サマリタン」

「ジョーカー」をB級にしたような映画だったけど、子役の男の子がとてもかわいくて芸達者で、ほぼこの子が作品を引っ張ってた。彼はNEXTジェイコブ・トレンブレイって感じでこれから活躍しそう。76歳のスタローンがあそこまで身体が動くのもすごかったし、も…

「NOPE ノープ」「ブレット・トレイン」

「NOPE ノープ」面白かった。そして難しかった。あの地球外生命体はなんのメタファーなのかな。あの猿とどういう繋がりが? 見ながらずっと、なに? どういうこと? って頭回転させながら画面を追ってて刺激的だった。カルーヤの妙に落ち着いた感じとキキの…

「ミー・タイム」

マーク・ウォールバーグが44歳のパーティボーイって無理がありすぎだったし、ケビン・ハートと幼なじみっていう設定も2人にケミストリーが感じられず全然説得力なかった。やっぱり最高のコメディって作るの難しいんだなと改めて思うし、公開から25年経った「…

「ヒッチャー」

ルドガー・ハウアーの「ヒッチャー」を見て、希死念慮に取り憑かれたサイコパスって最強だなと思った。あんな大雨の中、荒野に立ってるヒッチハイカーの大男を安易に車に乗せてしまう主人公の青年がアホすぎる。そんな頭のゆるいアホ青年と出会ったばかりに…

「カーター」

韓国映画らしい容赦ない殺戮バイオレンスで、カメラのシークエンスもすごかったけど、それだけ。話がつまらなすぎた。マ・ドンソクが出てたらもうちょっとのめり込めたかも知れないけど、アクションだけじゃどうにも没入できず、途中で見るのやめちゃった。 …

「プロミシング・ヤング・ウーマン」

これは見ておかなくてはと思っていたんだけど、劇場公開のタイミングを逃してしまって、今回ようやくアマプラで鑑賞した。辛い話だったなぁ。大学時代、泥酔してレイプされ動画を撮影されて自死した親友と、彼女を守れなかったことにずっと自責の念を抱えて…

「ワンダーウーマン1984」

全然筋が通らないひどい話だった。ペドロ・パスカルもクリステン・ウィグもこんな使い方もったいなさすぎ。彼らは一体何がしたかったんだというくらい意味不明な存在だった。悪役だって、考え方や行動になるほどと思える説得力がないと。 7/29(金)映画ニュ…

「グレイマン」

ルッソ兄弟っていう先入観のせいかもしれないけど、空も陸もアクションのマーベルみがすごかった。ネトフリ史上最高の製作費って、これほとんどビジュアルエフェクトに使ってるんだよね? 劇場で見るべきだったかな。でも話が既視感ありすぎて全然面白くなか…

「ベイビー・ブローカー」

また子役をダシに使って!と思ったけれど、子供だからこそ引き出せる大人の本音みたいなものってあるよね。赤ちゃんを捨てる母親だけでなく、周りも含めてそれぞれのキャラクターの葛藤がよく伝わってくる映画だった。あと張り込みをする刑事が女性2人っての…

「クラッシング」

フィービー・ウォーラー=ブリッジの「クラッシング」シーズン1を見た。「Fleabag」の種はここからもう蒔かれていたのかっていうくらい、主人公の女性キャラが似てた。誰とでもすぐ寝ちゃうし、斜に構えて他人をおちょくってるし、でもほんとは孤独でさみし…

「PLAN75」

カンヌで受賞した「PLAN75」を見た。開始ギリギリまで座席で編み物をしていた隣の高齢女性が、上映後は座席で放心状態になっていた。「あの主人公は(何年後かの)私」っていう気持ち、今の日本に暮らしていたら誰もが感じると思う。今度の選挙もまた開票番…

「リンカーン弁護士」

今度は「リンカーン弁護士」シーズン1を完走。マシュマコ主演の映画の方は見てなくてそもそもの設定とかよく知らなかったんだけど、またもやデビッド・E・ケリーの術中にハマり夢中になってしまった。主演のマヌエル・ガルシア=ルルフォのこともよく知らな…

「ある告発の解剖」

何気なく見始めたらハマっちゃってシーズン1・計6話をイッキ見してしまった。Me Tooものドラマで、イギリス保守党の若手ホープとされているイケメン議員が、不倫関係だった部下の女性にレイプで訴えられ、その裁判の過程で議員がオックスフォード大学時代に…

「ナイト&デイ」

「トップガン マーヴェリック」を見てから自分の中でトム祭りが始まって、過去の作品をいろいろ見てたら「ナイト&デイ」が思いのほかとてもよかった。「ミッション・インポッシブル」からシリアスさを抜いて笑いを盛ったみたいで。トムってこういう超人的な…

「トップガン マーヴェリック」

いろいろ突っ込みどころはあるけど楽しかった。ちゃんと前作の作法を守りつつ、マーヴェリックがアウトローらしさを保ちながらいい指導者になって、見ていて気持ちが良かった。ジェニファー・コネリーとのロマンスは必要なかった気がするけど、トムとしては…