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英日翻訳者・ライター。行けるとこまで行きます。

「Never Saw Me Coming」

ヴェラ・クリアンのデビュー小説「Never Saw Me Coming: Grade A student. Grade A psychopath」を読み終えた。この本はワシントンD.C.を舞台に、サイコパスの女子大学生クロエが、復讐を果たしていくサスペンスだ。クロエは12歳の時にウィルにレイプされ、動画を撮影された。ウィルもその動画もこの世から消去するため、彼女はクロエと名前を変え、ウィルと同じ大学に進学。大学で行われているサイコパスの臨床プログラムに被験者として参加しながら、ウィルに接近していく。

クロエの計画と並行して、臨床プログラムの被験者(サイコパスの学生)が惨殺される事件が連続して起こる。ウィルの友人のチャールズは、ハンサムで親が地元の名士、美人な彼女もいるキャンパスの王子様的存在なんだけど、実はクロエと同じサイコパスだ。黒人のアンドレは、学費免除を狙って臨床プログラムに応募した偽サイコパス。クロエはチャールズやアンドレを利用しながらウィル殺害計画を実行しようとするが、その過程で何者かに襲撃されたり、セックス後の無防備な姿を盗撮されたりして、自分の身に起こっていることと連続惨殺事件との関連を調べるようになる。

臨床プログラムの教授が昔の連続殺人事件の裁判で犯人を擁護していたことが発覚するが、今回も教授は何か関係しているのか。ウィル殺害計画を着々と進めながら、キャンパスの連続殺人事件も追跡するクロエはそのうち、チャールズとサイコパス同士、お互いの犯行を疑いつつも親密になっていく。というようなストーリー。

私のイメージだと、クロエがジョーイ・キング、チャールズがオースティン・バトラー、アンドレジャスティス・スミスかな。アンバー・ハードがもう少し若ければ、クロエにぴったりだと思う。読み終えて少し物足りなさを感じたのは、自分の恵まれた境遇やサイコパスであることに引け目を感じているチャールズの心の闇をもうちょっと掘り下げて欲しかったなというところ。でも、クロエの行動パターンや共感力のなさ、倫理観の崩壊っぷりは確かにサイコパスで、怖いというより爽快な面白みがあった。SNSやアプリを駆使した心理戦だとか、3人それぞれが置かれた状況の違いとか、読みながら自然と次々と画が浮かんで、物語後半のドライブ感は気持ち良かった。小説の続編も、この本が映画化される可能性もあると思う。

7/25(月)
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Kindle読書「Never Saw Me Coming: Grade A student. Grade A psychopath」ヴェラ・クリアン(著)※読了