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英日翻訳者・ライター。行けるとこまで行きます。

「夏の沈黙」

アルフォンソ・キュアロン監督&ケイト・ブランシェット主演でドラマ化されると知り読んだ「夏の沈黙」。夫婦の愛憎ものかと思いながらページを進めると、実は破綻した家族の物語だった。

自分の身に起こった衝撃的な出来事を隠しながら、自分を理解していない夫と、何を考えているかわからない息子と何十年も暮らすのはとても孤独だっただろうと、ヒロインの人生について思う。だから、封印してきた過去の蓋を強引に開けて、中身をえぐり出して見せた“作家”に、彼女は感謝したんだろう。彼女の家庭も“作家”の家庭も、大人たちは自分にとって都合のいいバージョンに真実をすり替えていたけれど、息子たちはその違和感で歪められていったんだと思う。妻は不倫したのではなく、強姦されたと知り安堵する夫の利己的でナルシストなところからも、彼女の寂しさが伝わってきた。

ヒロインとブランシェットをずっと重ねながら読んだ。ぴったりの配役で、ドラマもすごく期待してる。

1/22(土)
リサーチ;C案件
1/23(日)
リサーチ
1/24(月)
映画ニュース翻訳;リサーチ
1/25(火)
映画ニュース翻訳;リサーチ;B案件

Kindle読書「夏の沈黙」ルネ・ナイト(著)※読了